- 2025年7月31日
栄養不足が引き起こす新たな糖尿病「5型糖尿病」— その正体と今後の展望
こんにちは。豊中市で糖尿病診療に力を入れている城医院です。
院長は糖尿病専門医として25年の経験と、年間4,000名以上の治療実績があります。
また、産業医・労働衛生コンサルタントとして15年の経験があり、10社以上と契約し、延べ1,000件以上の産業医面談(メンタル相談含む)を行なっています。
今回は、2025年4月に国際糖尿病連盟(IDF)が正式に認定した新たな糖尿病「5型糖尿病」について、わかりやすく解説いたします。
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🧬 5型糖尿病とは?
5型糖尿病は、これまで「栄養失調関連糖尿病」として知られていた疾患で、主にアジアやアフリカの低・中所得国で、痩せ型の10代や若年成人に多く見られます。慢性的な栄養不足、特に子ども時代の栄養不良が原因で、膵臓の発達が妨げられ、インスリンの分泌が著しく低下することが特徴です 。
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🔍 他の糖尿病との違い
• 1型:自己免疫反応により膵臓のインスリン産生細胞が破壊され、インスリンがほとんど分泌されません。
• 2型:インスリンは分泌されるものの、体がインスリンに対して抵抗性を持ち、効果的に機能しません。
• 5型:インスリンの分泌が極端に少なく、インスリン抵抗性は見られません。過去には1型や2型と誤診されることが多く、適切な治療が行われていませんでした 。
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📊 なぜ今、注目されているのか?
この疾患は70年以上前から報告されていましたが、長らく見過ごされてきました。2025年4月、IDFはバンコクで開催された世界糖尿病会議で、タイプ5型糖尿病を正式に認定し、診断基準や治療ガイドラインの策定を目的とした作業部会を設立しました。これにより、世界中で約2,000万〜2,500万人が影響を受けていると推定されるこの疾患に対する理解と対応が進むことが期待されています 。
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💊 治療と今後の課題
5型糖尿病の患者は、インスリンの分泌が少ないものの、インスリン抵抗性はないため、少量のインスリンや経口薬での管理が可能とされています。過剰なインスリン投与は低血糖を引き起こす危険があるため、慎重な治療が求められます。また、栄養状態の改善、特にタンパク質や微量栄養素の補給が重要とされています 。
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🌍 日本への影響と今後の展望
日本のような高所得国でも、摂食障害や過度なダイエット、食事制限などにより、タイプ5型糖尿病に似た症状を示すケースが報告されています。特に、若年女性や高齢者、食事制限を行っている方々は注意が必要です。今後、IDFの作業部会が策定する診断基準や治療ガイドラインが、国内の医療現場でも活用されることが期待されます 。
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📝 まとめ
• 5型糖尿病は、栄養不足が原因で発症する新たな糖尿病の分類です。
• 主にアジアやアフリカの若年層に多く見られますが、日本でも類似の症例が存在します。
• 過去には誤診が多く、適切な治療が行われていませんでしたが、IDFの正式認定により、今後の対応が期待されます。
• 治療には慎重なインスリン投与と栄養改善が求められます。
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ご自身やご家族の健康に不安がある方は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることをお勧めします。今後も最新の医療情報をお届けしてまいりますので、引き続きご注目ください。
