- 2026年1月12日
フリースタイルリブレ2完全入門:大きさ・しくみ・費用から“数字に振り回されない”上手な使い方まで【糖尿病専門医が解説】
こんにちは。豊中市で糖尿病診療に力を入れている城医院です。
院長は糖尿病専門医指導医として25年の経験と、年間4,000名以上の治療実績があります。
また、産業医・労働衛生コンサルタントとして15年の経験があり、10社以上と契約し、延べ1,000件以上の産業医面談(メンタル相談含む)を行なっています。城医院の公式サイトはこちらです。
https://jo-iin.com/
今日は「フリースタイルリブレ2をまったく知らない方向けのやさしい解説」です。
糖尿病や血糖コントロールでお困りの方は、城医院の外来でもご相談いただけます。
詳細は公式サイト(https://jo-iin.com/)からご覧ください。
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1.フリースタイルリブレ2とは?
フリースタイルリブレ2(以下、リブレ2)は、腕に小さなセンサーを貼るだけで、24時間ずっと血糖の動きを記録してくれる「持続血糖測定器(CGM)」の一種です。
正式には「間歇スキャン式持続血糖測定器」と呼ばれ、アボット社が製造しています。(1)(2) 
指先から採血して測る従来の血糖測定と違い、
• 皮膚に貼ったセンサーが
• 体の中の「間質液(細胞と細胞の間の液)」のブドウ糖濃度を
• 1分ごとに自動で測定し、
• スマホや専用リーダーに送ってくれる
という仕組みです。(3)(4) 
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2.大きさ・見た目・仕様
センサーは「白い丸いボタン」のような形で、とても小さいです。
• 直径:約 35mm(500円玉より少し大きいくらい)
• 厚さ:約 5mm
• 重さ:約 5g(硬貨1枚程度) 
• 装着部位:上腕の後ろ側(利き腕と反対側に貼ることが多い) 
• 装着期間:最大14日間連続使用が可能(2週間貼りっぱなし) 
• 防水性:日常生活の水濡れ(入浴・シャワー・軽い水泳など)はOK(5) 
厚みもそれほどなく、服の上から大きく目立つことはあまりありません。患者さんからは「貼っていることを忘れるくらい」「最初の1~2日は気になるけど、すぐ慣れる」という感想をよく聞きます。
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3.どうやって血糖を測っているの?(原理)
3-1 間質液を測っている
リブレ2は「血液」そのものではなく、皮膚の下にある「間質液(かんしつえき)」中のブドウ糖濃度を測っています。(3) 
センサー本体から細くて柔らかい糸のようなセンサーが、皮膚の浅いところに刺さることで、そこにある間質液を連続的に測定しています。(4) 
3-2 血糖値との「時間差」
血液から間質液へブドウ糖が移動するまで、5〜10分ほどの「時間差(ラグ)」があります。(3) 
そのため、
• 食後すぐに急上昇している場面
• 低血糖から回復している場面
では、**指先で測る血糖値の方が数分だけ「先を行く」**ことがあります。
「リブレの数値が少し遅れてついてくる」というイメージを持っておくと、数字のズレに過度に振り回されずにすみます。
3-3 工場で校正済み=自己校正いらず
リブレ2は「工場であらかじめ校正されたセンサー」で、装着後に自分で指先血糖と合わせて調整する必要はありません。(6) 
• 1分毎に測定
• 15分ごとにセンサー内メモリに自動保存(約8時間分) 
• Bluetoothでスマホ(またはリーダー)へ送信
といった仕組みで、24時間の血糖の「流れ」がわかります。(2)(7) 
リブレ2を使うと、患者さんと一緒に「血糖の映画」を見ながら生活習慣を振り返ることができます。これが、従来の「一枚写真」だった自己血糖測定との大きな違いです。
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4.日本での適応と制度:誰が使えるの?
4-1 保険適用になる人
2024年の診療報酬改定を含め、リブレ2は以下のような方で保険適用になります。(2)(8) 
• 1型糖尿病でインスリン治療中の方
• 2型糖尿病で、1日1回以上のインスリン注射を行っている方
この場合、「C150-7 間歇スキャン式持続血糖測定器によるもの」として診療報酬上の算定が認められています。(2) 
4-2 インスリンを使っていない方でも使える?(選定療養)
2024年6月から、**インスリンを使っていない糖尿病患者さんでも、一定条件のもとでリブレ2を自費購入できる「選定療養制度」**が始まりました。(9) 
• 糖尿病治療中(内服薬のみなど)の方
• 健診で血糖やHbA1cを指摘され「詳しく調べたい」という方
などが対象となり、**「診察は保険、センサー代は自費」**という形で使えるようになっています。 
詳細な条件や利用可否は、医療機関ごとに異なりますので、かかりつけ医にご相談ください。
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5.コストの目安:いくらぐらいかかる?
5-1 保険診療の場合
保険適用でリブレ2を使う場合、月2枚のセンサー使用が標準です(2週間×2枚=約1か月)。
目安として、3割負担の方で
• 月あたり約3,000~4,000円前後(センサー部分のみ)(10) 
程度と案内している医療機関が多いです。
※実際には、インスリンの薬剤費・診察料・データ解析料などが加わるため、トータルの自己負担額は医療機関により異なります。
5-2 自費(選定療養)でのセンサー購入
選定療養として自費でセンサーを購入する場合、各病院の案内を見ると
• センサー1枚(14日分):7,000〜8,000円(税込)程度が多い(11) 
となっています。
ここに、診察・データ説明などの保険診療分が加わるので、
「2週間リブレ+診察1回」で1〜1.5万円前後が一つのイメージです(医療機関によって差があります)。
実際のご負担額は、保険証の負担割合や通院回数、処方内容によって変わりますので、必ず受診先で確認してください。
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「自分の場合いくらぐらいかかるのか知りたい」「選定療養で使えるか相談したい」という方は、診察時にお気軽にご質問ください。
城医院でも、患者さんの状況に合わせてリブレ2の導入を一緒に検討しています。
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6.基本的な使い方の流れ(イメージ)
日本の公式ガイドや患者さん向け資料をもとに、ざっくりした流れを紹介します。(12) 
① センサーを腕に装着
• 付属の「アプリケーター」にセンサーをセット
• 上腕の後ろ側の皮膚をアルコール綿で拭き、乾かす
• アプリケーターを「ガチャン」と押して装着
音はしますが、「採血のようなチクッとした痛みはほとんど感じなかった」という方が大多数です。
② スマホ(またはリーダー)と連携
• スマートフォンに対応アプリ(FreeStyleリブレLinkなど)をインストール
• センサーにかざして「初期スキャン」し、ペアリング
• これでセンサーとスマホがつながります
③ 約60分のウォームアップ
装着直後は測定が安定しないため、約60分の準備時間があります。
その後、自動的に1分ごとにデータが送られ始めます。
④ 日常生活はいつも通り
• 入浴・シャワー・軽い運動・睡眠などは通常どおりOK(5) 
• 激しい運動や接触スポーツでは、上から保護バンドやテープを使うと安心(13) 
⑤ 14日後に交換
• 14日間の使用でセンサーは自動的に終了
• 新しいセンサーを装着して、同じ流れを繰り返します
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7.糖尿病専門医としての「おすすめの使い方」
ここからは、院長としてこれまで多くの患者さんと一緒にリブレ2を使ってきた経験から、「こう活用すると役に立ちやすい」というポイントをお伝えします。
7-1 「数字そのもの」より「流れ(トレンド)」を見る
リブレを見ると、つい
• 今の値が高いか低いか
だけが気になりがちですが、**一番大事なのは「流れ」**です。
• 朝食前 → 朝食後1〜2時間
• 夕食前 → 夕食後 → 就寝前
• 夜間(睡眠中)の血糖の動き
など、**1日の中で「どこで大きく上がり、どこで下がりすぎているか」**をチェックすることが、治療や生活習慣改善に直結します。
7-2 軽症〜中等症の2型糖尿病では「集中的に使う」方法も
インスリンを使っていない軽症〜中等症の2型糖尿病の方では、
• まず2週間、集中的に使って「自分の癖」を知る
• データをもとに食事・運動・薬を調整
• 数か月後にもう一度、短期間だけ使って「変化の確認」
という「期間限定の使い方」がとても有効です。
毎日1年中つけっぱなしにしなくても、**「時々つけて生活を振り返る道具」**として使うイメージです。
7-3 インスリン治療中の方は「安全を高めるツール」に
インスリン使用中の方では、
• 夜間の低血糖
• 食事量とインスリン量のミスマッチ
• 運動時の血糖変動
などの**「危ない場面」を早めに察知する**ためのツールとして、とても頼りになります。
• 低血糖アラート機能
• 高血糖アラート機能
を上手に使うことで、安全に治療を続ける助けになります。(2)(11) 
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リブレ2のグラフを一緒に見ながら、「どんな時に血糖が荒れているか」を患者さんと共有すると、治療方針がとても決めやすくなります。
城医院では、リブレのレポートを印刷して一緒にペンで書き込みながら説明することも多いです。
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8.使う際のコツ・注意点
8-1 センサーが取れにくくなる貼り方
• 皮膚をよく乾かしてから貼る(汗やクリームが残っていると剥がれやすい)
• できれば就寝前など、しばらく大きく動かないタイミングで貼る
• スポーツや力仕事が多い方は、上から保護テープや専用バンドを併用(13) 
8-2 皮膚トラブルを防ぐ
• 毎回、少し場所をずらす(同じところばかりに貼らない)
• かゆみや赤みが強い場合は、無理せず医師に相談
• アレルギー体質の方は、あらかじめ相談のうえで導入する
8-3 「ラグ」を理解して、慌てない
前述の通り、血液とセンサー値には5〜10分ほどの時間差があります。(3) 
• 食事直後に急上昇しているタイミング
• ブドウ糖を取って低血糖から回復しているタイミング
では、**センサーの表示が少し「遅れて見える」**ことがあります。
• 体調と数字がどうも合わない時
• 激しい低血糖症状がある時
には、指先血糖で確認することも大切です。
8-4 医療機関・検査時の注意(CT・MRIなど)
• MRI、CT、一部のレントゲン検査などでは、センサーを外す必要があります(機器により異なる) 
• 検査前には必ず「リブレ2を装着しています」と伝えましょう。
• 飛行機の保安検査では、そのまま通過できることが多いですが、念のため係員に申告すると安心です。(公式資料でも、検査機器に関する注意が記載されています)(12) 
8-5 ネット購入より「医療とセット」で
昨今はネット通販でもリブレ2センサーが購入できるようになりましたが、
厚労省が定めた選定療養制度の狙いは、
• 医療的フィードバックとセットで、血糖変動を評価すること
にあります。(9)(11) 
院長としても、
• できれば信頼できる医療機関でデータを共有しながら使う
• 誤った自己判断で治療を変えてしまわない
ことを強くおすすめします。
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9.リブレ2のメリット・デメリット(専門医の実感)
9-1 メリット
• 指先採血の回数が大幅に減らせる
• 夜間や仕事中など「見えなかった時間帯」の血糖がわかる
• 食事・運動・薬の影響が視覚的にわかる(行動変容につながりやすい)
• 家族や医療者とデータ共有ができる(リブレViewなど)(12) 
9-2 デメリット・注意点
• コスト(特に自費の場合)はそれなりにかかる
• 皮膚トラブル・かぶれのリスク
• 数字を見すぎて逆に不安が増える方もいる
• 血糖値との「ラグ」を知らないと、誤解や不信感につながりやすい
ですので、私はいつも
「数字に支配されるための機械ではなく、
自分の体を理解するための道具 として使いましょう」
とお伝えしています。
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10.まとめ:リブレ2は「血糖のクセ」を見える化する相棒
フリースタイルリブレ2は、
• 小さなセンサー1つで
• 24時間の血糖変動を細かく見える化し
• 食事・運動・薬の調整を考えるための強力なツール
です。
一方で、
• コスト
• 皮膚トラブル
• 数字に振り回されない使い方
といったポイントも踏まえつつ、医師や医療スタッフと相談しながら上手に付き合うことが大切です。
リブレ2を使ってみたい方、すでに使っているけれど活かしきれていないと感じる方は、受診時にお気軽にご相談ください。
産業医としても、仕事と糖尿病治療の両立支援にリブレ2を活用する場面が増えています。
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最後に
リブレ2を使うとしたら、
あなたはどんな場面(仕事中・夜間・運動時・旅行中など)で役立ちそうだと感じますか?
よろしければコメント欄で教えてください。
良かったらフォローとスキをお願いします。
産業医、労働衛生コンサルタントの依頼はこちらまで。
https://jo-iin.com/industrial.html
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参考文献・参照サイト一覧
1. Abbott Diabetes Care. FreeStyleリブレ2 保険適用・製品情報(日本語公式サイト) 
2. Abbott. 「毎分とどく。リアルタイムでわかる。」FreeStyleリブレ2 製品規格・保険償還資料(2025年版) 
3. Abbott. Freestyle Libre 2 Getting Started Guide/間質液と血糖の違いに関する解説 
4. FreeStyleリブレ2 リーダー取扱説明書(日本語版):センサー構造・装着方法・14日間使用に関する記載 
5. Abbott FreeStyle Libre Sensor 製品ページ:防水性・日常生活での使用条件 
6. Alva S, et al. Accuracy of a 14-Day Factory-Calibrated Continuous Glucose Monitoring System… Diabetes Technol Ther.(工場校正型CGMの精度に関する論文) 
7. アボット「FreeStyleリブレ2 使い方ガイド」および医療従事者向け資料(FreeStyleリブレLink, LibreView の説明) 
8. 厚生労働省関連告示・診療報酬改定資料(C150-7 間歇スキャン式持続血糖測定器の区分) 
9. フリースタイルリブレ2 選定療養制度解説(各大学病院・自治体病院の案内ページ) 
10. 各クリニックの料金案内:保険診療時の自己負担額の目安(例:木田クリニック、ヤックルなど) 
11. 各医療機関の自費(選定療養)価格案内:センサー1枚7,000〜8,000円の例(日本大学病院、いなべ糖尿病・内分泌内科、他) 
12. 患者さん向けブログ:リブレ2の基本的な使い方・日常生活の注意点(CASAファミリークリニックなど) 
13. 持続血糖測定(CGM)とリブレ2の使い方・皮膚トラブル対策・保護バンドの推奨に関する解説 

監修
城医院 院長 城聡一
医学博士、糖尿病専門医指導医、産業医、労働衛生コンサルタント
院長は糖尿病専門医として25年の経験と、年間4,000名以上の治療実績があります。
また、産業医・労働衛生コンサルタントとして15年の経験があり、10社以上と契約し、延べ1,000件以上の産業医面談(メンタル相談含む)を行なっています。
